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64のストーリー
(64卦・ろくじゅうしか)

1乾為天.jpg

1 乾為天(けんいてん)

・天は、健やかでひとときもとどまらない
・乾(けん)=天の力、健全な力、発展、始まり

天の力が健やかで
ひとときもどどまらない時
陽の恵みを受けて
全ての物事は
健やかに流れ
進み栄えます。
誠実で謙虚な姿勢を忘れなければ
道がひらかれるでしょう。

2坤為地.jpg

2 坤為地(こんいち)

・地は、幾重にも重なっている
・坤(こん)=大地、柔順、母性、包容力

大地の包容力が発露する時
陰の徳をもって
全ての物事は
すらすらと進み栄えます。
メス馬のように従順で穏やかであることが良いでしょう。
誰かに先行すると迷い
誰かの後から行けば迷いは消えます。
南西へ進めば友を得
北東へ進めば友を失かもしれません。
落ち着いて誠実であることで
吉兆を得るでしょう。

3水雷屯.jpg

3 水雷屯(すいらいちゅん)

・雲が垂れこめ、雷がとどろく
・屯(ちゅん)=困難、停滞、準備、蓄え

雲が垂れこめ雷がとどろく時
草木の若い芽が
これから伸び伸びと成長する手前の段階です。

曲がったまま力を蓄えるように
困難で停滞するかもしれません。
けれど、やがて蓄えた力を解き放ち伸び栄えます。
だから今は焦らず
静かに力を蓄える時。
信頼できる相談相手を探し
助けを得て
共に困難を乗り越えるのが良いでしょう。

4山水蒙.jpg

4 山水蒙(さんすいもう)

・山の下に泉がわき出る
・蒙(もう)=無垢、無知、学び始め

山の麓に泉が湧きいずる時
無垢なるものが生み出され
それはやがて進み栄えます。
私から無垢なるものへ求めません。
無垢なるものが私を求めるのです。
初めて占う時は
真実を告げるでしょう。
疑って何度も占えば
真実は告げられません。
変わらぬ真実を守りつつ
誠実に歩むのが良いでしょう。

5水天需.jpg

5 水天需(すいてんじゅ)

・雲が天にのぼっている
・需(じゅ)=待つ、貯める、蓄える

雲が天にのぼる時
誠実さを胸に
待ち続ける強さが
明るい未来へ導きます。
困難を糧として
正しく歩めば吉兆を得ます。
このように困難を通じて
己を磨くなら
大きな困難も乗り越えられるでしょう。

6天水訟.jpg

6 天水訟(てんすいしょう)

・天は上へ、水は下へ
・訟(しょう)=争い、訴訟、論争

天は上へのぼり水は下へくだる時
交わらず
争いとなり
気持ちに誠があっても行き詰まります。
このような時こそ
慎重に歩むことで吉兆を得るでしょう。
争い続ければ凶となるでしょう。
賢人との出会いに解決の糸口があります。
今は、困難に挑む時ではありません。

7地水師.jpg

7 地水師(ちすいし)

・大地の内に水がたくわえられる
・師(し)=集団を組織する、戦争をする

大地が水を豊にたくわえる時
多くの人々は
天地の運行に則った正しさと
老練で優れた指導者により
勝利へと導かれます。
このように
相互の信頼が通い合い
正しき道を歩むなら
失敗から遠ざけられるでしょう。

8水地比.jpg

8 水地比(すいちひ)

・地の上に水が豊にある
・比(ひ)=親しくする、寄り添う、協力する

水と地が交わる時
深く親しみあうことで
吉運が訪れます。
天地のことわりに深く照らし合わせ
根本がただしければ
あやまちはありません。
今まで、不安な気持ちを感じて縁がなかった人も
向こうからやってこようとします。
このような時
遅れて来る人とは
お互いに親しめないかもしれません。

9風天小畜.jpg

9 風天小畜(ふうてんしょうちく)

・風が天の上をゆく
・小畜(しょうちく)=少しずつ蓄える、小さなものがとどめる

風が天の上を吹き抜けて
小なるものが大なるものをとどめる時
すこしずつ力が蓄えられ
吉兆が訪れます。
西の空に雲たなびき
雨の気配がします。
けれど、恵みの雨は
まだ降り始めません。
今は
小さく積み重ね
蓄えるのが良いでしょう。

10天沢履.jpg

10 天沢履(てんたくり)

・天が上にあり、沢が下にある
・履(り)=実践する、実行する

天が上にあり沢が下にある時
人の道にかない
実践の好機を得ます。
例え虎の尾を踏んでも
噛まれないでしょう。
物事の道理に沿った
正しい心と行動が
道を拓き
吉兆を呼ぶでしょう。

11地天泰.jpg

11 地天泰(ちてんたい)

・天と地が交わる
・泰(たい)=安らかである、安泰である

天の気が上にのぼり
地の気が下にさがり
天と地が交わる時
安らかで安泰な時季が訪れます。
小さなものは静かに去り
大地は泰平の息吹に包まれます。
このようであれば
物事は軽やかに進み栄えるでしょう。

12天地否.jpg

12 天地否(てんちひ)

・天と地が交わらない
・否(ひ)=塞がる、うまくいかない

天の気が上にのぼり
地の気が下にさがり
天と地が交わらない時
あらゆる物事に
人の力は及ばず
出来ることは
ただ静かに待つことだけ。
君子も試される時
忍耐こそが力となるでしょう。
大きなものは去り
小さな芽が芽吹くことを待つのです。

13天火同人.jpg

13 天火同人(てんかどうじん)

・火が天に向けて燃え栄る
・同人(どうじん)=仲間として人と交わる、同志を求めて共に行く

火が天に向けて燃え栄る時
人の心を照らし
広く心を開けば
光が差し込みます。
共に歩めば難関も越えられます。
君子の如く
心を開き親しみ深く
正しい行いが
吉兆へ導くでしょう。

14火天大有.jpg

14 火天大有(かてんたいゆう)

・真昼の太陽
・大有(たいゆう)=大きな恵み、豊かな実り

真昼の太陽が天高く輝く時
大地を照らし
万物を育みます。
大きな恵みと豊な実りを得て
全ての物事は順調に進み栄えるでしょう。

15地山謙.jpg

15 地山謙(ちざんけん)

・山が地の下にいる
・謙(けん)=謙虚な態度、控えめな気持ち

高い山が地の下にいる時
謙虚な態度を忘れなければ
吉兆を得ます。
今は
己をひくくしてこそ
最後までやり遂げられる時季。
控えめな気持ちを忘れずに
進むのが良いでしょう。

16雷地豫.jpg

16 雷地豫(らいちよ)

・地上に雷が響きわたる
・豫(よ)=準備する、備える

地上に陽気が雷震する時
物事の摂理に従い
よく備えた上で
思いをひとつに
一致団結して共に進みます。
このようであれば
物事は進み栄えるでしょう。

17沢雷随.jpg

17 沢雷随(たくらいずい)

・沢の中に雷気がひそむ
・随(ずい)=流れに従う、柔軟に適応する

沢の中に雷の気がひそむ時
固執を捨て
流れに身をゆだねれば
扉が開き進み栄えます。
このように
柔軟でしなやかであれば
咎め立てするものはないでしょう。

18山風蠱.jpg

18 山風蠱(さんぷうこ)

・山の下に風が吹き荒きこむ
・蠱(こ)=形が変わる、壊す、変革する

山の下に新たな風が吹きこむ時
古き秩序は崩れ去り
新たな芽がめぶきます。
今は
大きな物事に取り組む良い時節。
時間と忍耐を味方につけ
焦らず取り組めば
進み栄えるでしょう。

19地沢臨.jpg

19 地沢臨(ちたくりん)

・高い所から沢を見おろす
・臨(りん)=水辺をのぞむ、準備が整い行動に移そうとしている

高い所から沢を見おろし
陽の気が伸びる時
準備は整い行動の好機が訪れ
万事は順調に進み栄えます。
しかし
時季は移ろい行くもの。
この時季を逃せば
振り返って
後悔の念にさいなまれるでしょう。

20風地観.jpg

20 風地観(ふうちかん)

・風が地上を吹き渡る
・観(かん)=観察する、よく見る

風が地上を吹き渡る時
偽りの仮面が剥がされ
物事の本質があらわになります。
誠の心がその身に満ち満ちて
その純粋が周囲の人の心を打ち
我知らず引き込まれ
思わず見入って時を忘れるほど。
そのようにして観るならば
誠実な心と慎ましい態度により
真実が姿を観せるでしょう。

21火雷噬嗑.jpg

21 火雷噬嗑(からいぜいごう)

・火と雷の気が共にある
・噬嗑(ぜいごう)=噛み砕く、克服する

火と雷の気で困難を砕く時
障害は砕け散り
ゆたかに栄え進みます。
火と雷の如く
法と正義を武器とすれば
困難を乗り越えられるでしょう。

22山火賁.jpg

22 山火賁(さんかひ)

・山の裾野を夕陽が照らす
・賁(ひ)=飾り立てる、装飾する

山の裾野を美しく夕陽が照らす時
飾り立てられた虚飾ではなく
内面の輝きが浮かびあがります。

時として

程よく装飾することで物事はすらすらと進むもの。
しかし本質の尊さは
小さな物事の積み重ねにより
少しずつ美しく磨かれることを忘れてはなりません。

23山地剥.jpg

23 山地剝(さんちはく)

・山が崩れて平地になる
・剝(はく)=削り取る、リセットされる

山肌が削られ
はぎ取られてゆく時
物事の本質があらわになります。
今は
行動しても
思うような結果は得られません。
焦らず静かに時季を待ち
力を蓄えるのが良いでしょう。

24地雷復.jpg

24 地雷復(ちらいふく)

・雷の気が地中で動き出す
・復(ふく)=戻る、回復する

雷気が地中で動き出し
陽気が立ちのぼる時
大地は冬眠から目覚め
生命の息吹が再び伸び栄えます。
友が集まり
物事は順調に進み
障害はありません。
陰陽のリズムに則して歩むなら
七日ごとに物事が進み
繁栄への扉が開かれるでしょう。

25天雷无妄.jpg

25 天雷无妄(てんらいむぼう)

・天空に雷鳴がとどろく
・无妄(むぼう)=邪心や不正がない様子

天空に雷鳴がとどろく時
純真無垢な魂を照らし
邪心や不正のない者に
幸運が訪れます。
しかし
正しい道から外れれば
苦難が降りかかり
災いが訪れるでしょう。

26山天大畜.jpg

26 山天大畜(さんてんたいちく)

・天の気が山の中にたくわえられている
・大畜(たいちく)=実力を大いに蓄える

天の気が山の中に
豊にたくわえられる時
おごらずに己を磨き
自らの力を蓄えます。
正しい道を行けば
繁栄への道が開かれます。
家を出て
社会に貢献することが
喜びと成功につながります。
困難な状況に直面しても
勇気を持って挑戦すれば
克服することができるでしょう。

27山雷頤.jpg

27 山雷頤(さんらいい)

・山麓に雷鳴がひびく
・頤(い)=自らを養う

雷鳴がひびき渡り
静寂の山麓に活力を与える時
自分自身が己を養う
その在り方をよく観ます。
自分を自分たらしめる
自分自身が己を養う要素は
天地の理に即しているでしょうか。
このような時
己の言葉を慎み
己が食べるものを節することで
繁栄への道が開かれるでしょう。

28沢風大過.jpg

28 沢風大過(たくふうたいか)

・沢の水が木を枯らしている
・大過(たいか)=重い荷物

沢の水が満ちて木を枯らし
風が吹き湖面を波立たせる時
棟木を曲げるほどに家を揺らします。
しかし
自然の摂理に逆らわず
周囲と調和して歩めば
物事は進み栄えます。
あきらめずに時季を待ち
しなやかに生きるのが良いでしょう。

29坎為水.jpg

29 坎為水(かんいすい)

・洪水で水が満ち満ちている
・習坎(しゅうかん)=困難が重なっている状態

洪水で水が満ち満ちている時
その深淵に潜む真実の光が
静かに輝きます。
その誠実な心こそ
困難を乗り越えるための武器。
誠実さを忘れず
己を磨き時季を待てば
必ず勝利を手にし
人々の称賛を得るでしょう。

30離為火.jpg

30 離為火(りいか)

・太陽が重なっている
・離(り)=火が明るく活発な様子

太陽が重なり
炎が燃え盛る時
熱情と活力が溢れます。
活発に活動し
正しい道を行けば
物事はうまく進み栄えます。
しかし
重なる太陽は
時として傲慢さを生み出すもの。
だから
メスの牛のような包容力を養い
周囲を温かく照らすことで
繁栄への道が開かれるでしょう。

31沢山咸.jpg

31 沢山咸(たくざんかん)

・山の上に沢があって豊な潤いがある
・咸(かん)=感応する、調和する

山の上に沢があって
豊かな潤いにみちる時
山々と湖水が響き合い
感応と調和が心を満たします。
物事はすらすらと進み
豊かな実りに至ります。
正しい道を行き
人とつながりを深めれば
繁栄への道が開かれるでしょう。

32雷風恒.jpg

32 雷風恒(らいふうこう)

・雷が風に乗って両者が結びつく
・恒(こう)=永続して変わらない様子

雷がなり風がふき
風に雷鳴が乗る時
大地に新たな命が吹き込まれ
物事はすらすらと進み
失敗することはありません。
雷のように力強く
風のように柔軟に
長く変わらず己を磨けば
繁栄への道が開かれるでしょう。

33天山遯.jpg

33 天山遯(てんざんとん)

・天に向けて下から山がせまる
・遯(とん)=退く、身を隠す

天に向けて下から山がせまる時
山にのがれ身を隠し
機を伺い
柔軟に応じれば
物事はすらすらと進みます。
でしゃばらず
小さな成功を積み重ね
着実に歩むことで
繁栄への道が開かれるでしょう。

34雷天大壮.jpg

34 雷天大壮(らいてんたいそう)

・雷鳴が天上にとどろく
・大壮(たいそう)=勢いが盛んで力が強い様子

雷鳴が天上にとどろく時
大地に力強い力がみなぎり
勢いに乗って物事が進みます。
このような時こそ
柔らかさと穏やかさを忘れずにいれば
物事は進み栄えるでしょう。

35火地晋.jpg

35 火地晋(かちしん)

・大地の上に明るい太陽がのぼる
・晋(しん)=進む、昇進する

大地の上に
明るい太陽がのぼる時
大地の恵と太陽の炎を身に受け
王の目にとまり
厚遇を受けるでしょう。
何度も接見を許される栄誉に浴します。
このような時こそ
謙虚な姿勢を忘れず
己の力を磨くことで
歩みは確かなものとなるでしょう。

36地火明夷.jpg

36 地火明夷(ちかめいい)

・太陽が地中に隠れる
・明夷(めいい)=才能が認められない

太陽が地中に埋もれ隠され
闇の中で炎が輝く時
才能は認められず
悩ましい道を歩みます。
しかし
困難をもって己を磨き
正しい道を歩み続ければ
必ず光は見えてきます。
忍耐強く熱意を持ち続けることで
困難を乗り越えられるでしょう。

37風火家人.jpg

37 風火家人(ふうかかじん)

・火が燃えて風が起こる
・家人(かじん)=家族、大切にしているコミュニティ

火が燃えて風が起こる時
本来の道理にそって物事が運ばれます。
それぞれの立場を守り
力を合わせることで
家族は進み栄えます。
互いを尊重し
協力することで
絆を深め
真の豊かさへ至るでしょう。

38火沢睽.jpg

38 火沢睽(かたくけい)

・火は上にいき、沢は下へいきお互い反目している
・睽(けい)=半目する、背く

火は燃え上がり
沢は流れ下る時
相容れず
互いが異なり
半目します。
同時に
相手の内に
自分にないものをみて
お互いが必要と知るのです。
歩み寄って
小さなことから
力を合わせてみましょう。
歩み寄るその一歩が
吉兆を招くでしょう。

39水山蹇.jpg

39 水山蹇(すいざんけん)

・山の上で、激しく水が流れている
・蹇(けん)=進むのが難しい状況

険しい山の上に
激しい流れがある時
足元は滑りやすく
視界は遮られ
一歩進むのも困難な状況。
南西へ向かえば
陽光の道。
光明を見出せるでしょう。
北東へ向かえば
霧に迷う。
足を取られるでしょう。
賢者の言葉を胸に
艱難辛苦によって己を磨き
正しい道を歩むことで
吉兆を得るでしょう。

40雷水解.jpg

40 雷水解(らいすいかい)

・雷鳴がとどろき雨が降りそそぐ
・解(かい)=とく、ほどく、解き放つ

雷鳴がとどろき
雨が降りそそぐ時
束縛されていたものが解き放たれ
新たな旅立ちの時が訪れます。
南西の方角に
希望の光が見えます。
行き先が定まらないなら
一度立ち止まり
心を静めましょう。
真実の声に耳をすませば
進むべき道が見出されるもの。
そして再び歩き出すのです。
それは早ければ早いほど
吉兆を招くでしょう。

41山沢損.jpg

41 山沢損(さんたくそん)

・山の裾野に沢がある
・損(そん)=損なう、与える、奉仕する

山の裾野に
湖が水をたたえる時
湖畔には命が豊かに育まれます。
しかし
山も湖も
その見返りを求めません。
奉仕するその誠実さに
繁栄が訪れます。
このように与える誠実さがあれば
何者にも咎め立てされることはありません。
疑いなく歩みを進めましょう。
素朴な真心こそが
天に通じる道を照らすでしょう。

42風雷益.jpg

42 風雷益(ふうらいえき)

・風が吹き、雷鳴がとどろく
・益(えき)=増やす、うるおす

風が吹き雷鳴がとどろく時
大地は潤い
草木は芽吹きます。
行くべきところへ行き
成すべきことを成せば
希望の光が道を照らします。
大河の急流も
恐れることはありません。
命の恵みが豊な今
必ず対岸へと辿り着けるでしょう。

43沢天夬.jpg

43 沢天夬(たくてんかい)

・沢が天上にある
・夬(かい)=切り分ける

沢が天井にある時
水が空を覆い
正義を掲げ誠実に行動しても
思わぬ落とし穴が潜んでいます。
まずは足元を見つめ
身近なことから始めましょう。
焦らず一歩ずつ
着実に道を開き
状況を整えると良いでしょう。

44天風姤.jpg

44 天風姤(てんぷうこう)

・天の下に風が吹き渡る
・姤(こう)=偶然に出会う、めぐりあう

天の下に風が吹き渡る時
出会いがもたらされ
偶然の邂逅
運命の糸が紡がれます。
しかし
油断は禁物。
優柔不断な人
強引な人
魅力的な人が
あなたの前に現れるかもしれません。
惑わされてはなりません。
己の心を信じ
真実を見極めるのが良いでしょう。

45沢地萃.jpg

45 沢地萃(たくちすい)

・沢が地上にある
・萃(すい)=人や物が集まる

沢が地上にある時
水と土が調和し
生命が豊かに育まれます。
人々が集い
力を合わせて
新たな道を切り開きます。
王は先祖に敬意を表し
その英知を受け継ぎます。
賢者との出会いは
進むべき道を示してくれるでしょう。
このように正しい心で歩むならば
何事もうまくいきます。
時として
大きな決断が
必要となるかもしれません。
行きべきところへ行き
成すべきことを成すことで
恵み栄えるでしょう。

46地風升.jpg

46 地風升(ちふうしょう)

・地中に風が生じる
・升(しょう)=昇りゆく、上がる

地中に風が生じる時
大地の奥深く小さな若芽が
静かに芽吹き
天を目指してすくすくと
伸び栄えます。
優れた指導者との出会いは
進むべき道を示してくれます。
不安は捨て
南へ向かう風の力をかりて
希望の追い風に乗りましょう。

47沢水困.jpg

47 沢水困(たくすいこん)

・沢の下に水がある
・困(こん)=困る、苦しむ

沢の下に水がある時
流水が止まらず
水底に沈むかもしれませんが
その困難を糧として
己を磨くことで
進み栄えます。
正しい道を歩み
賢人の教えを胸に刻めば
必ず吉兆が訪れるでしょう。
苦難の時にある時は
何を言っても受け入れてもらえないもの。
困窮を楽しむ度量を育み
静かに力を蓄える時です。

48水風井.jpg

48 水風井(すいふうせい)

・木のこずえまで水が行き渡る
・井(い)=井戸

木のこずえまで水が行き渡る時
静かに湧き出る井戸の恵みは
人々に潤いを与え続けます。
町は移り変わっても
井戸はそこに在り続けるもの。
溢れることなく
枯れることもありません。
井戸から井戸へと繋がる道は
人と人
心と心をつなぎます。
しかし、
満ち足りた心は
時に傲慢を生む出します。
汲み上げることなく
瓶を壊す愚か者は
井戸の恵みを失い
苦しみを味わうでしょう。

49沢火革.jpg

49 沢火革(たくかかく)

・水と火が争う
・革(かく)=革新、変革

沢の中に火があって争う時
水と火が相克し
新たな世界が生み出されます。
このような時
誠実な心で
正しい道を歩めば
周囲の人々も理解し
賛同を示し
大きな発展へと進み栄えます。
そうすれば
悔いを残すようなことはないでしょう。

50火風鼎.jpg

50 火風鼎(かふうてい)

・木の上に火がついて燃え上がる
・鼎(てい)=三本の足で支えられた煮炊き用の神具

木の上に火がついて燃え上がる時
その炎は穏やかに安定し
三本の足が支えるように
協調し進み栄えます。
協力し合い
互いを尊重することで
大きな成果を成し遂げるでしょう。

51震為雷.jpg

51 震為雷(しんいらい)

・雷鳴がとどろきわたる
・震(しん)=雷鳴がひびく、物事が動く

雷鳴がとどろきわたる時
雷の気が満ち溢れ
万物は育まれ
恵み栄えます。
激しい雷鳴に人々は驚き
おそれおののきます。
しかし過ぎ去れば
お互いに笑い合って
いつもの日常が戻るもの。
そのように
運ぶ事の成り行きを心えていれば
雷鳴が百里四方に響き渡っても
慌てることはないでしょう。

52艮為山.jpg

52 艮為山(ごんいさん)

・連なる山々
・艮(ごん)=山のように動かない、停止している

山々が連なる時
静かにたたずみながら
己を見つめ直し
慌てずに進むべき道を定めます。
今は
止まるべきところに
止まることが
真の強さとなる時です。
そのようであれば
咎め立てられることはないでしょう。

53風山漸.jpg

53 風山漸(ふうさんぜん)

・山の上で木々が徐々に成長している
・漸(ぜん)=徐々に進む、着実に進む

山の上で木々が
徐々に成長していく時
着実に根を張り力強く天を目指し
一歩一歩進み栄えます。
天地の道理に則った
しかるべき手順に従って
事を進めることで
吉兆を得ます。
焦らず慌てず
一歩ずつ
道を歩む事で

進み栄えるでしょう。

54雷沢帰妹.jpg

54 雷沢帰妹(らいたくきまい)

・沢の上で雷鳴がとどろく
・帰妹(きまい)=年少の娘が結婚する

沢の上で雷鳴がとどろく時
水面は波立ち
心がざわめきます。
年若い人が
心に任せて恋に走るように
世の道理をたがえ
自分の想いだけを優先させても
良い結果にはつながりません。

55雷火豊.jpg

55 雷火豊(らいかほう)

・雷鳴と雷光が鳴り響く
・豊(ほう)=豊かである、盛大である

雷鳴と雷光が鳴り響く時
万物は育まれ
ものみな栄え恵み進みます。
今は
王のように振る舞う時。
盛大の極致から傾くことを
いたずらに心配する必要はありません。
しかし
満ちればやがて欠けてゆくのが
物事の道理。
その道理を胸におき
公明正大に歩めば良いでしょう。

56火山旅.jpg

56 火山旅(かざんりょ)

・山の上に火が燃え広がる
・旅(りょ)=ひとりで旅をする

山の上に火が燃え広がる時
独り旅の道は険しく
多くの困難が待ち受けます。
今は
用心して謙虚に、そして自分をいたわる気持ちを忘れなけば
旅路を少しずつ進めることができる時です。
このような態度を忘れなければ
道が開けるでしょう。

57巽為風.jpg

57 巽為風(そんいふう)

・風が吹きめぐる
・巽(そん)=風、謙虚、へりくだる

風が吹きめぐる時
しなやかに歩みを進めれば
ゆっくりと道が開けます。
やがて物事は
進み栄えます。
賢者の言葉に学び
己を知り
謙虚な心を忘れてはなりません。
強引に突き進むのではなく
調和しながら道を進めば
新たな可能性が開けるでしょう。

58兌為沢.jpg

58 兌為沢(だいたく)

・沢が連なる
・兌(だ)=悦ぶ、口

沢が連なる時
水辺に広がる豊な恵みが
喜びと調和をもたらし
全ては進み栄えます。
心を通い合わせ
共に悦ぶ気持ちを忘れなければ
自ずから調和が生まれ
良い方向へ進むでしょう。

59風水渙.jpg

59 風水渙(ふうすいかん)

・風が水の上を吹き抜ける
・渙(かん)=散る、発散する

風が水の上を吹き抜ける時
過去に囚われず
新たな一歩を踏み出すことで
恵み栄えます。
先祖に感謝し
先祖の知恵を受け継ぐことで
大きな困難に直面しても
乗り越えられます。
春には春風が吹くように
物事の道理に沿って進むなら
吉兆が訪れるでしょう。

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60 水沢節(すいたくせつ)

・沢が水をたたえている
・節(せつ)=節度をまもる、節制する

沢が水をたたえている時
節度を重んじ
己を律することで
物事は恵み栄えます。
しかし
度が過ぎた厳格な戒律は

苦しみを招き
時に人を縛り苦しめかねません。
戒律は
ゆとりある程度が良いでしょう。

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61 風沢中孚(ふうたくちゅうふ)

・沢の上に風が吹き、水を動かす
・中孚(ちゅうふ)=誠実さが満ちている

沢の上に風が吹き
水を動かす時
水面に揺れる波紋が
心から湧き出る誠意となり
生きとし生けるものの気持ちを
ゆり動かします。
誠実さこそが
真の力となり
大きな困難を
乗り越えて行くでしょう。

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62 雷山小過(らいざんしょうか)

・山の上に雷鳴がとどろく
・小過(しょうか)=少し行き過ぎる

山の上に雷鳴がとどろく時
その響きに
我が身を顧みて
地に足をつけ歩みます。
その響きに
少しく行き過ぎるおごりの気持ちが戒められます。
このように
己を振り返ることを忘れなければ
進み栄えます。
今は、小さなことはうまく行く時。
大きなことは避けるのが良い時。
小さな事柄には誠意を尽くし
大きな望みはそっとしておきましょう。
高く登りすぎれば
孤立の憂き目を見るかもしれません。
山頂を目指すと
道のりは険しく
山のふもとへ降りれば
豊な恵みへたどり着くでしょう。

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63 水火既済(すいかきせい)

・水が火の上にある
・既済(きせい)=物事がすべて終わりを迎え完成する

水が火の上にある時
水は燃えさかる炎を消し
全てを包み込みます。
物事はすべての完成へ向けて
残りの道を少しく進みます。
物事の道理に沿って
正しく歩むのが良い時。
今は
完成に向けて吉兆の道を進むのです。
完成の時を過ぎれば
整ったものが乱れはじめ
再生の時季を迎えるもの。
ものみな全て終わりを迎える摂理
やがて混沌へと移ろってゆくでしょう。

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64 火水未済(かすいびせい)

・火が水の上にある
・未済(びせい)=物事がまだ完成していない状態

火が水の上にある時
海にのぼる朝日のように
全てのものは恵み栄えます。
物事ははじまったばかり。
今は準備を進める時。
焦れば
小さな狐が河を渡ろうとして
尾を濡らしてしまうように
思う通りに進まないもの。
今は挫折もあり
困難もあるでしょう。
焦らず慌てず
己の力を磨き
時季を待てば
やがて好機を得るでしょう。

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